神域に迷い込んだ夜——巫女と親娘が導く“祓い”の儀と神秘の物語

森の奥で迷って辿り着いた古い神社。 夜気が少し湿っていて、どこか胸の奥をざわつかせるような空気が漂う境内で、 主人公を迎えたのは “親娘の巫女” という、普通ではまず出会えない組み合わせでした。 母巫女は、近づいただけで背筋が伸びるような気品と静かな迫力をまとい、 その奥に何かを秘めているような視線を向けてきます。 対して、娘の方は年相応の明るさを持ちながらも、 どこか人懐っこさを超えた、距離の近さを感じる柔らかい雰囲気があり、 このふたりが同じ“儀式”を受け継いでいると思うと、自然と胸が高鳴ります。 物語は主人公が“神事に巻き込まれていく”形で進みますが、 その過程で親娘の巫女から向けられる態度や言葉に、 どこか “ただの儀式以上の意図” を感じさせる描写が多く、 読んでいて思わずドキッとするシーンも少なくありません。 特に、儀式の核心に触れる場面では、 ふたりの巫女が持つ温度差や、主人公へ向ける距離感が一気に近づき、 「これは本当に神事なのか…？」と疑いたくなるような緊張感が漂います。 けれど直接的な刺激に頼らず、 雰囲気だけで“意味深な関係性”を匂わせてくる構成が絶妙で、 読後にはじわっと余韻が残るタイプの作品でした。 「神秘×親娘×禁忌感」の組み合わせが好きな人には、 かなり刺さる雰囲気だと思います。