音声作品『ずう〜っと100円』を聴いたレビュー｜店主との掛け合いがクセになる異世界系ボイス

異世界の小さなポーション屋を舞台にしたこの音声作品は、 “ずう〜っと100円”というキャッチーな設定に惹かれて聴き始めたのですが、想像以上に臨場感が高く、短時間でも世界観に引き込まれる作品でした。 まず印象的だったのは、店主のキャラクター。 テンション高めで好奇心旺盛という特徴が声だけでしっかり伝わり、 声優さんの演技力によって「本当にこういう人いそうだな」と思わせる生き生きとした存在感があります。 とくに、実験の説明をしている時の少し早口になる感じや、失敗して慌てた時の声の揺れなど、細かな表情の変化が丁寧で、キャラが自然に立ち上がってきます。 音の距離感の演出も素晴らしく、 近くで話しかけられたかと思えば、少し離れた場所で器具を探す音がしたり、 何かに躓いたような物音が入っていたりと、 耳だけで“空間の広さ”や“動き”が分かる作りになっています。 これが実験シーンの臨場感を一段階引き上げていて、 まるで店主のすぐ横でやり取りしているような感覚に。 ストーリー自体は深刻なものではなく、 店主の新作ポーションの実験に主人公が巻き込まれるという、 ライトでコミカルな内容。 予想外のハプニングが起こるたびにテンポ良く展開していくので、 重さが一切なく、気楽に楽しめるのが魅力です。 個人的には、店主のテンションが急に上がったり下がったりする瞬間が特に好きで、 思わず笑ってしまう場面もありました。 全体を通して、 「異世界×実験×シチュエーションボイス」 という組み合わせが新鮮で、 短いながらも満足度の高い作品でした。 異世界コメディが好きな人、キャラの掛け合いで楽しみたい人、 気分転換に軽めの音声作品を聴きたい人に特におすすめです。